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2004.01.17

1台はダメ、でも1隻はOK

1月16日、日本国の自衛隊(正しくは陸上自衛隊の先遣隊)がイラクに向けて出発した。イラク暫定統治機構の要請により「イラクの治安維持、インフラ整備」が任務である。今まで歩いてきた道とは違う道を日本は歩くことになるのでしょうか?

ある番組で元自衛官(2人)が出演し、自衛官時代の話をしていた。「厳しいこともあったが、その分、得たものも大きかった」と言う。『「自由」が許されなかった自衛官時代があるおかげで、「自由」という言葉の意味、重さを感じた』のだと言う。自衛官時代のエピソードなどを話し終えた後、最後に「今回の派遣問題についても聞いてみたい」という司会者の質問にこたえてくれた。

質問:「今回、イラクに自衛隊が派遣されることになった。もし、自分の退官直後に友人が派遣されることとなったら友人にどういう言葉をかけますか?」

A:友人には「行ってこい」と言うと思う。今までは練習であって公式戦の舞台に立つ。今までの訓練の成果を見せる時だと思う。今回の派遣に対して自衛官は「ある種の使命感」に燃えている方もいると思う。しかし、そうでない人もいると思う。

B:自衛隊と言う組織は「右向け右」、「命令は絶対」、こういう言い方は悪いがある種の「マインドコントロール」にかかってしまっているので、「行け」と言われれば「行く」、と言うのが自衛隊である。友人には「頑張れ」と言うと思う。しかし、個人的には派遣には絶対に反対であるし、「イラク特措法」にも反対。自衛隊はあくまでも「専守防衛」である。日本が攻め込まれたら戦う。私は時刻を守るための軍隊を持っていいと思うし、自衛権は行使できると思うが、あくまでも「日本が攻め込まれた時」だけである。つまり、そうでないときには戦ってはいけないと思う。命令されたらイラクには絶対、行かなければならない。そこで活動する。現地の人に襲われた時、銃口を彼らに向けるだろう。防衛のためには仕方がない。が、自衛官は「何故、イラク人に銃口を向けなければならないのだろう」悩むと思う。「日本が直接、攻め込まれてもいない国に行く、その国の人々に対して銃口を向ける」と言うのはおかしいと思う。さらに、「戦車を1台、持って行きます」と言うと「ダメだ」と言う。しかし、「イージス艦」がインド洋に派遣された時、何の反対意見も聞こえなかった。「イージス艦がどれだけ凄い兵器なのか」を知らないと思うし、知らせなかった政府に問題があるし、追求してくれなかったマスコミに対して不満がある。イージス艦は戦車1万台、それ以上に匹敵する能力を持った兵器だと思う。まず政府が「イージス艦はこれだけ凄い兵器です。インド洋に派遣していいですか?」と選挙の時に問い掛け、与党が勝利したなら派遣すればいい。何か「自衛隊」と言う組織が政治に上手い具合に利用されている感じがして・・・。

(大体、この様な内容でした。再放送された時に確認してみます)

私は今回の自衛隊派遣に対しては「国連」というチャンネルを利用できなかったのか?、と思ってしまう。昨年3月に国連の決議がない形で始まってしまった今回のイラク紛争なので、いまさら「国連のチャンネル」を行使するのは難しいのかもしれませんが、やっぱり「アメリカ、イギリスの独走」と見えてしまう。今回の派遣問題で日本国憲法の解釈がいとも簡単に変更されてしまった様な気がします。なし崩しで決定してしまった様な気がします。衆参両院に設置されている「憲法調査会」もありますし、さらに与野党通じて「憲法論議をして行こう」と言う動きが見られます。今回は日本国憲法の「象徴的な部分」が焦点となりましたが、その他にも制度疲労している部分もあると思います。「改憲」と言うかある程度の「修理」は必要なのかもしれません。

長文、失礼しました。

参考:「陸自先遣隊がイラクへ出発」(朝日新聞より)http://www2.asahi.com/special/iraqrecovery/TKY200401160174.html

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